2010年10月14日

銀座茨城塾

10月8日に銀座茨城塾が無事終了いたしました!

議事録を下記に掲載しておりますのでご覧ください。

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第3回「銀座茨城塾」シンポジウム
【テーマ】農業法人×学生本音トーク「農業に俺たちの明日はあるか?!」議事録

開催日時:2010年10月8日 19:00~21:30
開催場所:紙パルプ会館3F会議室

第一部
司会:水産庁水産経理課 長野様  話題提供:茨城県農林水産部長 宮浦様

●本日の流れ説明と参加者把握
今から農業をしたい…2,3名 茨城の方…十数名 役人…数名
学生…十数名 定年後農業…数名 交流会目当て(挙手なしだがきっと全員)

●話題提供「茨城県と農業について」:宮浦様
・良い環境条件で災害も少なく、なんでも作れる土地が農業生産額全国2位を支えている。
・茨城は医者が少ない。医者だけでなく農業の担い手も県外から受け入れる体制を整えようと知事が呼びかけ。
 体制が整ってきた。
 多様な農作物が生産量1位や2位を占めている茨城で具体的に農業をしたい方はいつでも相談に。

●話題提供に加えてさらに茨城の農業について(自己紹介を交えて)

アグリクリエイト 斉藤様

・現在研修生2名。独立を考えているがやめたほうが良いと助言。
 良い環境があるがそこで生産し販売する技術が本当にあるのか?
・加えて、農業生産はインフレ状態。生産に必要な資材は高騰したまま野菜の値段は落ちる。
 この状態での経営は難しい。
・今日の話の中で、新規就農(参入)の在り方について答えを出しましょう。

ユニオンファーム 玉造様

・農業経営を一人で行うのは大変。だからフランチャイズ化という形態で運営している。
・学生参加者が多いと聞かされていたが、社会人ばかりなことに驚愕。本音が出るのか。

大嶋農場 大嶋様

・マスコミによる農業ブームは現場には追い風になってはいない。憧れならば就農はやめたほうがいい。
・後継者が育たない理由は利益が出ないから。
 経営者が、再生産できる見通しを立てることがどんな経営体においても大切。

●学生の自己紹介

桜美林大学 さん(とう)

・楽しみながら家庭菜園に近い形で農業サークルを行っている。
・活動を通じて農業に対する学生の意識は変わってきた。就農希望者3名出るほど。
 これからどのようにアプローチしていけるか楽しみ。

東京農業大学 藤原さん

・学外にて農業系サークルで活動している。
・高校時代は農業に興味はなかったが、現場の話を聞くようになって「背景」発信の面白さを知った。

慶応義塾大学 志村さん

・2007年物価高騰した際にパンの値段が上がったとき、食糧について考えるようになった。
 そこから食糧安全保障に興味を持つ。
・輸入に頼ってばかりはいられないから、国内生産を増やす必要がある。
 生産量を増やすには生産する人を増やす必要がある。
・農業現場よりマクロの面に興味があるがここでミクロの面を知りたい。

●先の話をふまえたコメントと自己紹介

東京農業大学 小池教授

・大学の「就農支援プログラム」に携わっている。
 視察・実習などを通じて学生に農業の実情を知ってもらうきっかけに。
・実習がどうあるべきかが命題で、大学の実習が実践力に結びつくのは難しい現状。
・今はプログラム参加後に生まれる様々な感情をどう次の行動に結び付けていくか課題。
 よりよい就農支援を一緒に考えていきましょう。

●第一部、全員の話を受けての感想 宮浦様

・茨城で農業が出来なくなったら日本で農業が出来なくなると言っても良いほど、
 茨城は農業に適した環境が整っている。
・本日は皆様との会話のキャッチボールに期待している。

第二部

司会:引き続き長野様 話題提供:FM世田谷「農といえるニッポン」 植村様

●話題提供 学生と農業のよりよいマッチング方法について:植村様

・2004年から農大生とラジオ番組制作開始。
 短期大学部の農業インターに密着し農大生、受け入れ農家、卒業生の総勢430名の生の話を聞いた。
・実際の話から学生と受け入れ先のミスマッチが明らかに。特に互いの「認識不足」が主な原因。
 学生側…受け入れ先の調査不足、先輩の体験談や実習内容の確認不足。
 受け入れ側…学生への対応・教育的知識の不足。
・解決には「お互いの情報発信」が必要。

●年代の差は受け入れの壁になるのか(受け入れ側の対応の話をふまえて) 

玉造様
・世代のギャップは当たり前。他世代と接する機会が少ないのは若者だけでない。
 ギャップは農政、受け入れ側、学生の埋める努力が必要。
・むしろ農業のブラックボックス化を改善する必要性あり。

「知る」ことが大切

●法人側の研修受け入れ現状と要望

斉藤様

・農業系大学を卒業しても率先力にならない人が多い現状は残念。
・若者で就農を目指す人は増えているが現場は甘いものではない。
 3K+天候商売には変わりは無く、流通.販売までできないと食べていくのは厳しい。
・その中でやり通せる人は一握りなので、就農の前に現場を見て・知る機会を増やしてほしい。

大嶋様

・インターン8名を受け入れているが学生の質に変化
 「毎日背伸びをしろ」と助言するが無理と返答。ゆとり世代は頑張り不足。
 今後やりたいことの達成は難しいのでは。
・一般社会で馴染めないから農業に進むのは間違い。
・就業人口の少ない分、1人の占める割合が高いから数年で独立することを考えると育てるコストが無駄になってし まう。
・若者はどういう理由で農業がしたいのか?

●就農志望の参加者の考え

桜美林大学 はたのひとみさん

・農業に関わる機会は中学とサークル活動で⇒農業経営はわからないけれどやってみたい⇒どこに行くのも進路は 不安⇒なら未知だが自分の興味のある進路へ行きたい。

●加入サークルについて

さん
・生活に身近な農業を行っているサークル。各人が「フードマイレージ」「二酸化炭素削減」「自給率向上」など 多様な価値観で農業と関わっている。
・いきなり生産に携わるのはミスマッチが多いのではないか。上記の価値観を活かした、農業生産ではないが農業 に関連する仕事がもっとあっても良い。

●学生と現場をつなぐ役割の大学側の意見

小池教授

・以前、大学は農産物生産の利益を主軸においていたが、10年前から研究中心になった。特に私立だと経営がメイ ンになり実習のためのラーニングコストと実習圃場面積に制限がされた。
・大学側でも、研究と現場の溝を埋める対策を討議中。

●第2部、全員の話を受けての感想:植村様

・多くの学生の話から、ある一定の知識を得た上でインターンに参加すると今までの学びが実技とつながる。
 実習のタイミング重要。
・それぞれの立場からの情報発信を積極的に行って行くことが大切。

第三部

司会:長野様 話題提供:農林水産省経営局人材育成課 小宮様

●話題提供:本農業と行政の支援の現状について 小宮様

・就農者の年代別割合→新たな担い手も6割が65歳以上
・農水の就農支援(相談センター・冊子・フェア・助成・無利子貸付など)
・国側としては農業法人を受け皿にして技術を学んでほしい。
・一律に補助する国の政策でフォロー不足の点はあるか意見を伺いたい。

●補足説明:長野様

・研修費 1ヶ月1人当たり9万7000円(期限は1年間)

●今後の政策や農業に対する意見

大塚様

・1年では人は育たない。自立できる人材育成のための助成を。
・「やろうかな」程度では「業」として経営していくのは難しい。
 しかし本気で成し遂げたいのならば様々な情報をから学び、自分の五感を信じてやり通してほしい。
・農業を維持・発展させるには消費を増やすことが重要。そのためには子どもを産む環境を整備する必要も。

斉藤様

・農業を環境ビジネスとしてとらえる。生ごみ堆肥を利用した循環型農業。自国でその基準を設け推進していく。 そして自国の食を自ら保護できれば輸入に依存しなくて済む。

玉造様

・農家・農業法人は中小・零細企業と同じ規模の経営体なのに他業種では考えられない手厚い補助。
 過剰と感じることもある。
・小さな経営規模では利益追求に限界がある。
 今後は小規模農家数を減らし大規模農家で経営していくことも視野にいれなくては。
 しかし、零細が大半を占める日本農業ではなかなか大きい声では言えない。

●学生の意見・要望

さん

・就職活動サイトに農業関係の求人情報をもっと掲載してほしい。
・農業に入った後のキャリアアップが見えない。それが見えれば成長志向の学生も農業に興味をもつのでは。

藤原さん

・大学は「実学主義」を謳っているがうなずける学生は少ない。
 もっと大学で現場に近い農業を知り、関心を持つことができる活動を設けてほしい。

志村さん

・玉造さんの話をうけて→大規模化するために放棄地を積極的に利用していけば用のでは。

●玉造様からの回答

・日本のように畑がモザイク的にある場合、すべてを1つに統合することは難しい。
 同じ60haの農地でも点在している場合だと生産効率は落ちるため、
 放棄地利用が大規模化の解決に結びつくとは言えない。

●大学側からの要望

小池教授

・「実学主義」の達成のため、カリキュラムについてさらなる検討をしていくつもり
・現在の支援制度は期限が短いものや認証が甘いものがある。
 本当に利用する必要のあるかたに使ってもらえるように認証基準をしっかりと設けるべき
・近年の農業を取り巻く環境に順応できていない部分が大学にはある。
 支援や就農ももう少し腰を据えて長期間で考えていただきたい。

●第3部、全員の話を受けての感想:小宮様

・農業を始めることは人生選択を左右すること。
 だから、いろいろな立場から長期的に支援・貢献していきたい。
 本日の話を参考に検討して参ります。

●おわりに:長野様

・本来は農水省の支援のない世の中になればそれに越したことはない。
・本日をきっかけに今後の農業の在り方をさらに考えていきましょう。

2010年10月
記録者 大竹満智子 

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