ファームエイドフォーラム議事録
「蘇れ!ふるさと東京」~森、里、街、そして海をつなぐ~
日時:2011年4月29日 10:00~12:00
場所:紙パルプ会館2階シンポジウム会場
講師:関口雄三氏(認定NPOふるさと東京を考える実行委員会 理事長)
パネリスト:白坂亜紀氏(銀座社交料飲会 理事)
高安和夫氏(NPO法人銀座ミツバチプロジェクト 理事長)
記録者:藤原育菜
関口氏から活動報告
30年代の東京湾は海産物の宝庫で、子供たちが海で泳ぐ姿が見られた。しかし高度経済成長期に入り東京湾は泳げない海になるほど汚染されてしまった。
葛西生まれ、漁師育ちの関口氏はこの海の状況に危機感を感じ、仲間を集め、2001年葛西臨海公園内で水質改善の活動を始めた。
この活動は、代々の海の知恵を使って、東京湾を子供たちが泳げる海にすることを目指して活動を行っている。
例えば、牡蠣を使った水質浄化活動がある。昔の東京湾は牡蠣の水揚げが盛んであった。また牡蠣は高い水質浄化能力を持っている。このことを利用して海に竹の棒を差し込み、そこに牡蠣が付着して水を浄化させる仕組みを作っている。刺した竹の棒は並べてみるとモニュメントに見えるため、竹カーテンと呼ぶ。
活動は水の浄化だけではない。海に対する関心を高めようと、べか船作りや潮干狩りなどのイベントも行っている。べか船とは、昔、東京湾で使われていた船である。
こういった活動で海を身近に感じてもらい、東京湾を里海と思ってもらいたい。
また、多様な生物が暮らす豊かな浜を知ることで、経済的合理だけではない自然に対してのことも考える新しいライフスタイルを作ってもらいたい。
今後は次世代に何を残せるかを考えながら、子供目線で楽しく活動をしていきたい。
銀座ミツバチプロジェクトからの報告
銀座の屋上を里山にすることを目指し、2006年3月28日から銀座で養蜂始める。
ミツバチは環境の悪いところでは生活ができない。そのため、銀座はすばらしい環境ということが分かった。
また、ミツバチが受粉作業を行うことで緑豊かになり、生態系の循環が見えてくるようになった。
年々はちみつの生産量は増え、銀座ミツバチは国内生産の0.03%を生産できるようになった。銀座は職人の町、そこで職人さん達に銀座のはちみつを使ったカクテルやお菓子など様々な商品を作ってもらい多くの人に活動を知ってもらえるようになった。
また銀座里山計画という、BEEガーデンという屋上農園を開いたり(食べれる屋上)他の地域へ行き商品開発などの銀座だからできる地域連携行うようになった。このようにミツバチから生まれた活動は広がりをみせている。
白坂氏からの報告
銀座社交料飲協会・銀座緑化部をつくりクラブのママさんやバーテンダーの方々と銀座の屋上で農作業をしている。この活動は、銀座ミツバチプロジェクトの高安氏と田中氏から農作業を頼まれ、楽しそうだと引き受け、始まった。夜の世界で働く白坂氏にとって昼間に活動する農作業は真逆の世界であった。しかし活動を行うにつれて参加者が増えていき、組合内に緑化部を作るなど組合として力を入れるようになった。
活動の1つとして「ハニーハイボール」がある。銀座はBARのメッカであり、世界トップクラスのバーテンダーが多くいる。そのようなバーテンダーが共同開発したものがこの「ハニーハイボール」だ。(共同開発は普段しないのでとても貴重)これを銀座のクラブで飲んでもらうことで、お客様を活動に巻き込むことができる。また、銀座のクラブへ通う方々は第一線で働いている方々なので強い情報発信につながる。
また、屋上農園で様々な地域の農産物を育て、クラブなどで使うことで地域の発信にもつながっている。
只今、銀座のビルは建て替えラッシュなので、白坂さんを筆頭にママさん達はビルのオーナーに屋上緑化をしてもらうよう直接話に行っている。
このような活動によって人間関係の里山が生まれている。銀座のママさん達はお互いにライバルであり、なかなか話すことはなかったという。しかし、農作業などを行うことで自然と話すようになり、人間関係がスムーズになってきている。
今後は地域と繋がっていく活動を行っていきたい。