こんにちハニー!ミツバチ博士のふくちゃんです。
これまでTwitterの動画にて様々な養蜂、はちみつの知識をお伝えしてまいりました。これからはこちらの公式HPでも、「ふくちゃんの養蜂図鑑」と題し、より簡潔に分かりやすくまとめた養蜂やはちみつの知識をご紹介します!
第3回では養蜂作業で使用する道具、その中でも特に群れの育成や日々の養蜂作業に関連するものについてご紹介します。
☆王籠
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王籠は文字通り女王バチを囲うときに使うカゴです。
ハチ数の調整のための産卵調整、新たな女王バチの導入、引っ越しの際などに使用しますが、その種類は様々で、主に下記の3種類に分けられます。
・女王バチを入れた後に働きバチが出入りし、女王バチの世話ができるタイプ
・新しい女王バチを群れに導入する際に、元の群れの働きバチ数匹と女王バチを入れて導入し、匂いを馴染ませてから放ったりするのに使う網目状のタイプ
・女王バチが生まれる王台という巣の一部を入れ、生まれた後に女王バチのもつ匂いが馴染み、そのまま放つことができるタイプ(王台を保護するためのコイルが入っています)
☆はちまいったー
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これはニホンミツバチを保護した際に使うことがほとんどの道具です。巣の入り口に取り付け、働きバチは外に出られますが、女王バチは巣から外に出られなくさせるための道具です。
ニホンミツバチは巣が気に入らないと放棄して逃げてしまうことが多いのですが、女王バチが巣から出られずに中に残ることで、働きバチは逃げるのを諦めて戻ってくれるという習性を利用した道具になります。
☆花粉採取器
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花粉採取器という道具、日本ではあまり使用しませんが、海外の花粉がたくさん集められる地域では花粉玉を採り、Bee Polen(ビーポーレン)として商品化するために使う道具です。取れた花粉玉ははちみつが混ざって少し湿っているため、製品にする場合は1度天日干しして乾燥させた後、製品にするという流れになります。
この道具にはミツバチが通れるサイズの穴が開いており、通った際に後ろ足に花粉玉がついていると、スポッと花粉玉が下の網の中に落ちて引き出しの中に溜まるという仕組みになります。あまり花粉がない地域で使用してしまうとミツバチの幼虫の餌がなくなってしまうので使いどころが難しい道具ではありますが、銀座では、ミツバチがどういった植物から花粉を集めているのかという調査で使用することもあります。
☆分割板
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分割版は画像の通り、巣箱の中に並べた巣板の1番外側に入れることにより、ミツバチの群れの生活空間とそれ以外の空間を仕切るための道具です。分割板を入れることにより、ミツバチの分散を抑え、群れの温度を安定させて飼育することができます。
また、天布と同様、ミツバチたちは空間があると自分たちで好きなように巣を作ってしまうため、そうしてできてしまう無駄な巣を作らせてしまうことも抑えることができます。
分割板がないときは、給餌器で代用することもあります。
☆隔王板
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養蜂家は、1段目と2段目の巣箱の間にこの隔王板を使用し、1番下の巣箱で女王バチに産卵、育児をしてもらいます。大体の女王バチは通り抜けられませんが、稀にスリムな女王バチがいると隔王板の隙間を通り抜けてしまいます。
(※隔王板は使用しない養蜂家もいます)
☆スズメバチ捕殺機
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銀座でも秋口になるとスズメバチがやってきます。ミツバチたちと比べてからだも大きく、油断すると巣を全滅させられてしまうこともあるため要注意です。このスズメバチ捕獲器は巣の入り口に取り付けて使用します。ミツバチを捕まえたスズメバチが光のある上方向に行こうとする修正を利用した道具です。銀座では針金製のものを使用していますが、最近はプラスチック製のものもあるようです。スズメバチ対策としてはこの捕獲器の他にも、粘着シートも併用します。