2023年04月22日

ふくちゃんの養蜂図鑑 vol.4〜内検編〜

こんにちハニー!ミツバチ博士のふくちゃんです。

これまでTwitterの動画にて様々な養蜂、はちみつの知識をお伝えしてまいりました。これからはこちらの公式HPでも、「ふくちゃんの養蜂図鑑」と題し、より簡潔に分かりやすくまとめた養蜂やはちみつの知識をご紹介します!

今回は養蜂作業で重要なミツバチの巣箱の内検についてご紹介します。

☆燻煙器の準備

巣箱の内検は、まず燻煙器を準備するところから始めます。

燻煙器の蓋を開け、燃料を入れます。銀座では新聞紙を裂いて燃料として利用します。なるべく細かく裂いた方が燻煙器の持ちも良くなります。ほかの養蜂家は麻布や落ち葉、松ぼっくりなどその場やその人のやり方で燃料が変わります。

手順としてはまず割いて空気を含ませて丸めた新聞紙をライターで着火します。燻煙器の理想的な状態としては筒の下に火の玉、熱源があるように燃やし、その上に残りの新聞を乗せるようにすると長時間新聞紙がくすぶるようになります。

これで燻煙器の準備は完了です。

これで蓋をすれば、燻煙器がたてられる状態です。煙の色に注目すると、最初のうちは黄色い煙、燃え尽きかけると青っぽい煙がたくさん出るので、青っぽい煙がでてきたら燃料を追加するといった判断材料にもなります。

☆巣箱を開ける

次にミツバチの巣箱を開けます。

銀座では巣箱に屋根を乗せて、ロープと重しで屋根が飛ばないようにしてあります。

まずこれらを外して、遮熱と(冬場は)断熱のためにかけている麻袋も外して箱を開けていきます。

箱を開けるとき、箱と巣箱は必ずプロポリスや蜜ろうでガッチリくっついていることが多いのでハイブツール(リンク貼る)を使って蓋をこじ開けます。

一気に開けるとハチが驚いてしまうので、少しだけ開けて煙を入れます。その後少し戻して10秒ぐらい経ったらゆっくりと蓋を開けます。

蓋に沢山のミツバチがついているときは、巣箱にスペースがないという指標になるため、新たな段を継ぐための判断材料の一つになります。

☆巣枠を取り出す

ハイブツール:ミツバチは巣箱の蓋がピッタリ閉められていると蓋との隙間にプロポリス等を埋めてカチカチに固めてしまいます。内検や採蜜の際にそれをこじって巣箱を開けたり、2段以上の巣箱を重ねている巣の場合は箱同士を剥がすときに使います。その他、巣箱の掃除等にも活躍し、作業の際に養蜂家が必ず持っている重要な道具の1つです。

枠の取り出す際にはまず天布を外します。巣枠は蜜ろうやプロポリスで巣箱と固着しているため、ハイブツールを使って巣枠抉って枠が引き出せるようにします。その際、勢いよく枠を抉ると枠と枠の間にいるハチをつぶしてしまうことがあります。そのため巣枠が急に動かないように添え手をしながら枠を動くようにするのがポイントです!

次に枠を引き出していきます。引き出す時も一気に引き出すのではなくて、小刻みに枠を揺らしながら引き出していきます(師匠曰く「アル中の手のふるえのように」とのことで今でもそれを実践しています)。

揺らすことでハチ自身が危険を感じて退いてくれるため、ハチを守ることができます。

ハチは巣の中心の方で育児をするので、蜜は巣枠の端の方や巣枠の上の方に貯まるという傾向があります。

☆内見のポイント

内検というのは巣箱の中の枠を全て確認して、「女王蜂はいるか」「産卵は順調か」「育児はしっかりしているか」「病気が出てないか」「その他異常がないか」を確認するために行います。

内検での枠の見方は外側からぐるっと中心を描くように見て、まず女王蜂を探します。ミツバチは1箱に対して1匹しか女王蜂がいないので、いることを確認できれば安全だという判断をします。

片面をまず見たらひっくり返して巣枠の裏側を見ます。女王蜂も常に動き回っているので、外側からまず見て中心の方を見ていくとうまく探すことができます。

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